大阪(葬祭会社)損害賠償請求事件
大阪地裁 1996.4.26
事件のあらまし
被告…男性会長A
被告…会社
原告…女性労働者B
原告Bは平成6年5月に被告会社に就職した。被告Aは採用間もない5月中旬、Bに対して、顧客を訪問中の車中で、太股をなでる、性的関係を暗示する等の行為を行った。Bは知人を仲立ちにして謝罪を求めたが、Aは謝罪に応じなかった。
判決の内容
行為は1回的なもので、反復継続的なものではなく、又、原告の明示的な拒絶を無視してなされたものではなく、態様も必ずしも悪質ではないが、Aは、立場上その手を退けることが叶わなかったBの屈辱を他所に、男なれしていると思ったなどと嘯き、いまだ謝罪の意思も明らかにしていない。
職場で行われる相手方の意思に反する性的言動の全てが違法性を有し、不法行為を構成する訳ではない。違法性の有無を決するためには、行為の、時間、場所、内容等具体的態様、当事者相互の関係、とられた対応などを総合的に吟味する必要がある。Aの行為はさして悪質ではないにしても、偶発的なものではなく、Bが再発の危惧を抱かせるものであり、その人格を踏みにじるものであるから、社会的にみて許容の範囲を超え、不法行為を構成するというべきである。
また、Aの行為は会長としての地位を利用して行われたものであるから、職務と密接な関連性があり、事業の執行につき行われたと認めるべきである。
原告一部勝訴 慰謝料80万円認容。高裁で和解。
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