秋田セクハラ事件
仙台高裁秋田支部 1998.12.10
事件のあらまし
被告人…短期大学教授A
原告…教授の研究室の研究補助員B
Bは学会出席の為、A教授と共に出張した際、宿泊先のホテルの室内で、A教授にベッドに押し倒されて胸を触られるなど猥褻行為を受けた。
Bは損害賠償の支払いを求め本訴提起したが、A教授はこれを否認し、Bに対して日頃の仕事への協力を感謝する気持ちを伝えようとして、肩の両手をかけただけと反論した。さらにA教授は、虚偽事実の公表をしたことにより名誉毀損されたとの反訴を提起した。
判決の内容
第1審の秋田地裁(1997.1.28)の判決は、「強制わいせつ行為に遭った被害者は、無我夢中で逃れようとするか、反射的に抵抗するのが通常であるし、また、畏怖心によりまったく抵抗できない場合も考えられる。」と被害者の行動パターンを限定し、直ぐに抵抗しなかったBの対応は、教授との関係、Bの年齢、経歴からすると通常ではない。」とし、猥褻行為の存在を否定した。
Bは敗訴し、A教授への名誉毀損に基づく損害賠償の支払いを命じられた。
Bは控訴し、仙台高裁の控訴審判決は「性的被害者の行動パターンを一義的に経験則化し、それに合致しない行動が架空のものであるとし、排斥することは出来ない。」とし、A教授の供述や事件前後の事情を検討して、猥褻行為はあったと不法行為の成立が認められ、情報提供行為が名誉を毀損した不法行為に当たるとした原審の判断が否定され、Bの損害賠償請求が認められた。
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