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京都セクハラ(N銀行支店長)事件

京都地裁 2001.3.22

事件のあらまし

被告…京都支店の支店長A
被告…N銀行
原告…N銀行京都支店に配属された女性C

原告Cは、支店長Aより食事に誘われ、Cや他の女子行員を傷つける言動を改めてもらう事や、自分の事を良く知ってもらう良い機会だと応じた。夕食後二次会の会員制クラブに行った。Aは、Cが拒否したのに、手を撫回したり、頬にキスをしたりした。「やめて下さい。結婚しています。」と言って逃れようとしたが、さらに猥褻行為に及ぼうとした。Cは、Aがどのような態度に出るか不安だった為、Aを押しのけたり蹴飛ばしたりなどの激しい態度に出ることが出来なかった。その時Aの携帯が鳴ったので、これを機に逃れることが出来た。(第1セクハラ行為)

翌日、AはCに、支店長室に来るようにメールを送り、Cはご馳走のお礼と、昨日の事で落ち込んで入る事、今後の誘いを断る事をメールで返事した。然るに支店長はその後、ほぼ1ヶ月に渡り、週2回ほどメールや内線電話で、支店長室に来るようにとか、食事に行きましょう。と誘い続けた。(第2セクハラ行為)

第1セクハラの後、課長に事情を告げたところ課長は次長に報告した。次長は他の女子職員からも困っていると報告を受けていたので、課長会議を招集し、情報を伝達すると共に、女子職員に対し、上司の誘いは嫌だったら断ってよい事や、困ったことがあれば課長に相談する事を徹底した。その後、被告銀行はAに譴責処分を行い普通退職させた。

Cは、支店長に対する処分に失望し、提訴する事にし、同僚を誘ったが次第にCを避けるようになり、孤立感を深めた。CはAのセクハラ行為によって、身体、精神に不調をきたし、社内でセクハラ問題に真剣に取組もうする姿勢が感じられないことから、被告銀行を退職した。Cは、被告銀行には職場環境を調整する義務としてのセクハラの事前防止義務及び、事後これに適正に対処すべき義務があるのに怠ったと主張し、両被告連帯し、慰謝料、逸失利益を請求した。

判決の内容

本件クラブにおける被告Aの行為は、典型的かつ悪質なセクシャルハラスメント行為であるというべきであって、原告の人格権を侵害する不法行為に当たる事は明らかである。 断固たる拒絶行為には出ていないが、人事も容易に左右できる京都支店の最高権力者への決定的な対立を避けたのはやむを得ない対処方法であった。

その上、第2セクハラ行為は職場の上下関係を背景に、既に被害を受けている原告をさらに苦痛を与えた。その苦痛は深刻なものであったと考えられる。

被告銀行の責任は、全体のセクハラ問題への取組み姿勢の問題であったというべきである。原告の損害は、本件セクハラ問題と退職、身体、精神の不調等に相当因果関係があったと言える。よって両被告連帯して慰謝料その他を支払えと命じた。

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