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テクネット損害賠償事件

一審→横浜地裁 1995.3.24 二審→東京高裁 1997.11.20

事件のあらまし

一審では、原告が冷静沈着にして逃げようとしなかったので、請求に理由がない。」と敗訴。その後、原告が高裁に控訴し、逆転勝訴したもの。

控訴人(原告)…女性社員N
被控訴人(被告)…横浜営業所K
被控訴人(被告)…会社及び親会社

控訴人Nは平成2年5月、被控訴人会社にアルバイトとして採用され、その後、同年11月に正社員に採用された。正社員に採用された秋頃から被控訴人Kは、事務所でNと二人きりになった際、Nの後ろを通りながら肩をポンと叩くようになり、その後次第に肩に手を置いている時間が長くなり、肩を揉んだり、髪を撫でたり、束ねたり、指ですいたりするようになった。

翌年2月19日、午前11時50分頃、KはNに、「Nさんを一度抱きしめたかった。かわいいから・・」と言い、首筋に唇を押し付ける、作業着の上から胸や腰を触る、無理やりキスをする等、猥褻な行為は20分間にわたり執拗に行われた。Nは、腕を胸の前で堅く結んだり、肘を張ったり、顔をそむけたり、手を払いのけようとしたが、Kは乱暴に強い力で抑え込むなどして行為を続けた。Nがやっとの思いで「お昼過ぎてしまいますよ。」というと「ああ気持ちよかった。いい子を抱くと気持ちがいい。こんなことしたらNさん泣くかと思った。仕事辞めないでね。」と言い、自分の席に戻っていった。

Nはこの日の行為に、大きな精神的ショック受け、社長に直訴したが、会社からは具体的な、行為を認めての謝罪はなかった。Nは平成3年7月23日の親会社の監査の日に「Kの猥褻な行為が退職の理由であると述べて、退職届を提出した。

判決の内容

職場における性的自由の侵害行為の場合には、職場での上下関係(上司と部下の関係)による抑圧や、同僚との有効的関係を保つための抑圧が働き、被害者が必ずしも身体的抵抗という手段を取らない要因として認められる。

したがって、本件において控訴人が事務所外に逃げたり、悲鳴を上げて助けを求めなかったからといって、直ちに控訴人の供述が不自然だと断定することは出来ない。

会社の事業の執行行為を契機とし、これと密接に関連を有する行為というべきである。よって民法715条に基づき使用者としての損害賠償責任を負うべきである。

N一部勝訴。会社及びKに、それぞれ275万円を支払うよう命じた。

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